骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
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痔核の進行度と治療方針

・痔核は脱出の程度に応じて、I度痔核〜IV度痔核という4段階に分類される。

・痔核の進行度に応じて、治療方針が変わってくる。

・I度〜II度であれば薬で改善することが多い。

・III度以上では手術を勧めることが多いが、あくまでも本人の希望を重視する。


I度痔核

痔核は脱出しない。 

出血を認めたり、便潜血検査が陽性となったりする。

薬(座薬や軟膏)で治療する。

出血が多いものは注射療法(パオスクレー)が有効。



(左図:排便時 右図:排便後)


II度痔核

排便時脱出して、排便後自然に引っ込む。

はじめは薬で経過を見ることが多い。



(左図:排便時 右図:排便後)


III度痔核

排便時に脱出し、排便後には指で押し込まなければ戻らない。

座薬や軟膏で改善しない場合には手術を考慮したほうがよい



・IV度痔核

常に脱出している。

治すには手術が必要。





(解説)

痔核は脱出(脱肛)の程度に応じて、I度〜IV度の4段階に分けられます。

このうちI度とII度の痔核は、まず軟膏や座薬などの薬で対処することが多いです。
出血が多い場合には、注射療法(パオスクレー)を行えば多くは改善します。

また、出血を認めた場合や便潜血検査が陽性となった場合には大腸がんなどの腸の病気が原因となっていることがあるので、大腸肛門科の専門病院などでは大腸内視鏡検査をおすすめすることが多いです。


いっぽうIII度とIV度の痔核は、薬だけで改善することはまれなので、「薬以外の治療法」を勧めることが多いです。

薬以外の治療法としてもっとも成績がよいのは痔核根治手術です。
痔核のタイプや形態次第では、PPHという器械を用いる方法や、ジオンという注射療法を用いて治療することも可能です。
(参考:痔核の治療法を比較する

特にいつも脱出しており、外から触れることができる痔核は、痔核根治手術で切除するしか治す方法はありません。

痔核は良性の病気なので、手術するかどうかは本人に選択してもらって決めることになります。
(この点、全員に手術を勧める痔ろうとは対照的です)

II度の痔核で時々しか脱出しない人でも、希望する人には手術を行いますし、III度の痔核でいつも押し込んでいる人でも、気にならない人ではしばらく薬で様子を見ることもあります。



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