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痔核根治手術後に起こる「腫れ」について その2:ブリブリ腫れ



 (2)ブリブリ腫れ


痔核術後の腫れ2痔核の術後に術前より大きく腫れあがり、強い痛みが生じるものを「ブリブリ腫れ」と呼んでいる。

これは3か所(場合によっては4か所)痔核を切除して、痔核切除部位の間にある正常皮膚の領域(ブリッジという)が大きく腫れあがって、かんとん痔核のように「ブリブリ」に腫れあがる状況である。
患者さんは強い痛みを訴え、「手術する前より腫れがひどくなった」と言ってくる。

この「ブリブリ腫れ」で激痛が起こっている場合には、緊急手術で腫れている部位を追加切除せざるを得ないことがある。
この場合、前回切除した傷に加え、今回手術した傷が追加されることになるので、肛門狭窄をきたす恐れが当然高くなる。

だからこのブリブリ腫れだけは起こさないように、回避の手だてを打っておかなければならない。


さいわいこの「ブリブリ腫れ」を起こす因子は、ほぼ解明されている。

自分が痔核根治手術を手がけた約3000例の手術記録を引っくり返し、多変量解析を行った結果、ブリブリ腫れを起こしやすい因子が3つ導かれたのだった。

そういう目であらためて過去の症例を見直してみると、これらの因子のうちひとつかふたつだけが存在する症例ではあまりブリブリにならないが、これらの3因子がすべて揃うとかなりの高確率でブリブリ腫れが成立してしまうことがわかってくる。

だからこの3つの因子が揃っている患者さんの手術を手がけるときには、それに応じた対処法を行う必要がある。
正確に見極めて、ポイントを押さえた手術を行うことで、このブリブリ腫れで悩まされることはほとんどなくなってくる。


「このことを認識している医師は他にいるのだろうか?」と思って周囲の肛門科手術を手がけている医師を観察してみると、おもしろいことがわかってくる。

腕のいい医師の手術を見ていると、「これは普通にやるとブリブリになるタイプだ・・・」と思われるタイプの痔核に対し、知ってか知らずかブリブリ腫れ回避のポイントを押さえた手術を行っているのだった。

自分の経験が浅かったころは、こういった上級者の職人芸を見ても、経験の浅い医師が行う手術との違いに気づいていなかった。

同じ手術を目の当たりにしておきながら、自分の技術レベル向上にしたがって見えるものが異なってくるわけである。



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