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前側方の低位筋間(IIL型)痔ろうの手術について

※マニアックです。専門家以外が読んでもわからないと思います。



今も昔も大腸肛門科学会における重要テーマでありつづけている


低位筋間(IIL型)痔ろうは、痔ろうができる場所によって術式選択の基準が異なる。

背中側(後方)の痔ろうであれば、通常切開開放術が選択される。

いっぽう前側方の低位筋間(IIL型)痔ろうの場合には、変形をきたす恐れがあるので、切開開放術はやらない方がよいとされている。
だから切開開放術以外の術式が選択されることになる。

この前側方のIIL型痔ろうに対する術式は、かつては括約筋温存術が主流だった。


大腸肛門科関係の学会に発表されている当時の演題を見ても、前側方のIIL型痔ろうの術式は括約筋温存術を行う施設が大半を占めていた。

学会シンポジウムのテーマも、「括約筋温存術の手技の工夫」といった具合で、このタイプの痔ろうは括約筋温存術をすることを前提とした議論が行われているような感じだった。


でもその流れは、ここ数年になってかなり変わってきた。
関西の偉大な先生方が長年実績を重ねてきたシートン法の良さが全国的に認識され、徐々にその地位を高めつつあるのである。

最近の大腸肛門科の学会では、温存術派(関東の医師はこっちが多数派)vs.シートン派(関西の医師はほとんどこっちだと思う)みたいに、シートン法と温存術が対等の土俵で議論されることも多くなっているように思われる。


私の所属している大腸肛門科専門病院は関東にあるので、私が来た当時(10年ほど前)は括約筋温存術が行われていた。

私も周囲にならって温存術をやることになるのだが、当時の技術では再発が多かった。
20%近く再発していたので、仮に月に2例くらい温存術をやるとすると、二ヶ月に一人くらいは自分が手がけた患者さんが再発することになるわけである。

二ヶ月に一人再発すると、感覚的には「また再発した」という感じになって、本当に精神衛生上よろしくないし、患者さんにも迷惑がかかってしまう。


「このままではいけない」と思い、いろいろ悩みつつ試行錯誤して、括約筋温存術の成績向上をこころみた。

試行錯誤する期間は、かなり長期間におよんだ。
その試行錯誤している期間に、手術書に載っている方法を参考にしたり、上級者の方法を真似したりしていたが、それでもなかなか満足いく成績にはならなかった。
(自分の満足いく成績とは、前側方の痔ろうであっても再発がほぼ0で、かつ機能障害もまず起こらないという手術成績のことをさす)

括約筋温存術だけでは限界を感じ、「作戦を根本的に変えた方が良いのではないか?」と考え始めた頃に出会ったのが、シートン法だった。



今も昔も大腸肛門科学会における重要テーマでありつづけている関西の肛門科の先生方の業績と、われわれがシートン法を導入したいきさつ実際やってみると、シートン法は思っていたより好印象だった最低の失敗パターンに陥らないためにどうしているか


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