骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説

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直腸瘤とはなにか


直腸瘤とは、直腸にできた「こぶ」が膣から脱出してくる状態のことをいう。
直腸瘤は、直腸・子宮・膀胱などが膣から脱出する「骨盤臓器脱」のひとつに分類される。
直腸瘤は便通異常の原因となるために、「排便障害」というカテゴリーでも取り扱われている。






正常の人では、直腸と膣の間の壁がしっかりしているので、排便時にいきむと便は肛門に向かう。



直腸瘤では、直腸と腟の間にある壁が弱くなって、一部が袋状になる。

排便時にいきむと力が袋の方向に向かってしまい、便が出にくくなる。

さらに直腸が膣を圧迫して、膣の壁が飛び出してくる。



重症の直腸瘤では、排便時に肛門周囲を指で押さえて出す人もいる。

膣の壁がピンポン玉のように大きく飛び出してくることもある。


(解説)

直腸瘤(ちょくちょうりゅう)は、「直腸膣壁弛緩症(ちょくちょうちつへきしかんしょう)」とか、「直腸ポケット」などと呼ばれることもあります。

直腸瘤とは読んで字のごとく、直腸にできた「こぶ」が膣から脱出してくる状態のことをいいます。
(たとえば脳動脈にできたこぶのことを「脳動脈瘤」と呼ぶのと同じ)

直腸瘤は女性に起こる病気なのですが、ごくまれに男性にも見られます。

直腸瘤は「骨盤臓器脱」という病気のひとつに分類されています。
骨盤臓器脱とは、膀胱、子宮、直腸、小腸などが膣の壁を圧迫して脱出してくる病気の総称です。
女性の骨盤臓器の中では膣が一番弱いところなので、ここに他の臓器から圧力がかかって膀胱や子宮や腸がとびだしてくるわけです。

直腸瘤は骨盤臓器脱のひとつに分類されていると同時に、便通の異常をきたす原因となるために、大腸肛門科領域では「排便障害」というカテゴリーで取り扱っています。

排便障害をきたす原因となる疾患にはいろいろなものがあります。
たとえば直腸瘤の他にも、直腸重積直腸粘膜脱など多彩な疾患が存在します。
この中でも直腸瘤は、女性の排便困難をきたす原因として、もっとも多いもののひとつと考えられています。

大腸肛門科の診療を日常的に行っていると分かるのですが、多くの女性にはこの直腸瘤があります。
実感としては、女性の半数近くにこの直腸瘤があると思います。

ただしこの直腸瘤で排便困難などの症状が出る人は一部であり、ほとんどの人は無症状なので治療の対象とはなりません。

直腸瘤で実際に治療が必要となるのは、便がでにくくて排便時に肛門の周りを押さえている人や、残便感がひどい人などに限定されます。



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