|

・直腸瘤とはどんな病気?
直腸瘤(ちょくちょうりゅう)は、女性の便秘の原因として最近よく知られるようになってきた疾患です。
この病気は「直腸膣壁弛緩症」とか、「直腸ポケット」などと呼ばれることもあります。
(この直腸瘤は時に「直腸脱」と呼ばれることもあるのですが、直腸脱と直腸瘤は異なる疾患です。)
直腸瘤を有する方の場合、直腸と膣の間にある壁が弱くなるために、直腸がポケット状にふくらんできて膣から脱出してきます。
女性の骨盤臓器の中では膣が一番弱いところなので、ここに直腸から圧力がかかって、膣の方にとびだしてくるわけです。(参照:直腸瘤とはなにか)
・直腸瘤の症状
直腸瘤の症状は、「排便障害」の訴えと「膣がふくれてくる」という訴えが主なものとなります。(参照:直腸瘤の症状)
重症の直腸瘤では、「排便時に膣を押さえないと便が出ない」とか、「膣がピンポン玉のようにふくれてくる」という訴えが起こります。
・直腸瘤はどの診療科を受診すればいいの?
直腸瘤で悩んでいる方の場合、直腸粘膜脱・直腸重積・痔核・裂肛といった直腸肛門の疾患を合併していることがよくあります。
また、子宮脱や膀胱瘤といった、婦人科および泌尿器科の病気を合併していることもあります。(参照:直腸瘤に合併する病気は?)
だから直腸瘤の治療は、大腸肛門科・婦人科・泌尿器科の3科がそろっており、病状に応じて各診療科の協力が得られるような病院で治療を受けるのがベストです。
大腸肛門科だけでは子宮脱や膀胱瘤の対応は難しいし、婦人科や泌尿器科では直腸肛門疾患の治療を行うことができないのです。(参照:直腸瘤はどの診療科を受診すればいい?)
・直腸瘤の診断
直腸瘤は、肛門から指を入れて直腸を膣方向に押すと膣壁がとびだしてくるので、それだけでほとんど見当がつきます。(参照:直腸瘤の診察)
診察して直腸瘤の可能性が高いと思われる場合には、さらに排便造影を行って、直腸瘤のくわしい状態や併発している直腸肛門疾患の有無を調べる必要があります。
当然大腸内視鏡検査を行い、直腸がんなどの有無もチェックしておく必要もあります。
さらに状況に応じて、MRI検査で膀胱瘤や子宮脱の有無をチェックしたり、肛門内圧検査で括約筋の機能を調べることもあります。(参照:直腸瘤の検査)
・直腸瘤の治療:保存的治療
直腸瘤の治療は、大きく保存的治療と手術に分けられます。
軽症の直腸瘤では、薬や生活習慣の改善といった保存的治療を行います。(参照:直腸瘤の治療(保存的治療))
いっぽう直腸瘤の症状が強い場合や、保存的治療で改善しない場合には、手術をお勧めしています。
・直腸瘤の治療:手術
直腸瘤の手術は、肛門側から行うもの(経肛門的手術)と、膣側から行うもの(経膣的手術)に分けられます。
どちらの術式にも長所と短所があるため、患者さんの状態に応じて最適な治療法を選択することが重要となります。
どちらか一方の術式だけでは、すべての直腸瘤に対応することはできないのです。
たとえば経肛門的手術は重症の直腸瘤を治すことができないし、いっぽう経膣的手術は排便障害・性交障害および肛門疾患などの問題に対応することができないのです。
そのため、「年齢」「直腸瘤の大きさ」「直腸肛門疾患(直腸粘膜脱・直腸重積・痔核・裂肛など)の合併の有無」といった要素を考慮しながら、患者さんの希望を尊重して術式を決定することになります。(参照:直腸瘤の手術:どの術式がいいの?)
最近では直腸と膣の間にメッシュを留置して補強を行う最新の術式(TVM手術)が普及しており、従来の術式と比べてさらに良い成績があげられるようになってきています。
また直腸瘤で悩んでいる方の場合、直腸粘膜脱・直腸重積・痔核・裂肛といった直腸肛門の疾患や、膀胱瘤・子宮脱といった泌尿器科婦人科領域の疾患を合併していることも多いので、これらの疾患があればあわせて治療を行います。
(参照:直腸瘤だけ手術で治せばいいの?)
|