骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
 よくわかる大腸肛門科 HOME病気を診断Q and Aプロフィール
 直腸肛門の病気直腸脱直腸瘤痔核痔ろう・膿瘍裂肛・狭窄
 骨盤臓器脱TVM手術メッシュを使わない手術保存的治療
 大腸内視鏡検査無痛大腸内視鏡検査大腸ポリープ・大腸がん



直腸脱術後の再発について

直腸脱の手術を行った場合、どうしても一定割合で再発が起こる可能性がある。
この再発率は、術式により異なる。

高齢者ではもともと肛門のしまりがゆるくなっており、直腸の支持も弱くなっているため、どうしても一定の確率で再発することがある。

若い人の直腸脱に直腸固定術(経腹手術)を行い、肛門括約筋のしまりが回復すれば、再発率は低い(数%)




(解説)


現在の医学では、直腸脱の方全員を一回の手術で治すのは不可能です。

ただし長年にわたる術式改良により、成績は過去と比べて飛躍的に改善しています。


(経肛門手術)

直腸脱は高齢者に発生することが多いので、侵襲(ダメージ)の少ない経肛門手術が第一選択となります。

われわれの施設の検討では、経肛門手術でもっとも再発がすくないのはデロルメ法です。

さらに長年にわたって数百例のデロルメ法の経験を積み、少しずつ術式の改良を積み重ねてきた結果、現在では直腸固定術とくらべてもそれほど遜色ない成績をあげることができるようになってきています。

このように長所の多いデロルメ法ですが、「大きく脱出する直腸脱や、何度も手術を繰り返して癒着している直腸脱には行えない」「粘膜をはがして縫合するので、出血や感染などのリスクがある」といった短所もあります。

三輪-Gant法はわが国でもっとも広く普及している術式なのですが、再発率はデロルメ法よりやや高くなるようです。
ただしこの方法は、粘膜を切除する必要が無いため、その分Delorme法より出血や感染のリスクは低いと言えます。
だから三輪-Gant法に熟達した医師は、現在でも三輪-Gant法を第一選択としているようです。

当院では直腸脱の状況に応じて、デロルメ法と三輪-Gant法を使い分けるようにしています。



(経腹手術)

経腹手術である直腸固定術の成績は良好で、大半の人を一回の手術で治すことができます。(再発率は数%程度)

そのかわり直腸固定術は、経肛門手術とくらべて麻酔リスク・手間・侵襲(ダメージ)などが劣るため、直腸固定術を行う状況は限定されます。




「直腸脱」の関連記事
直腸脱まとめ直腸脱とはなにか直腸脱の原因直腸脱の症状直腸脱の診断直腸脱のタイプ:完全直腸脱と不完全直腸脱直腸脱は痔核とどう違うのか直腸脱はどんな人に多い?直腸脱と肛門機能障害直腸脱の術式を比較する直腸脱の手術(デロルメ法)直腸脱の手術(三輪-Gant法)直腸脱の手術(ティールシュ法)直腸脱の手術(硬化療法)直腸脱の手術(直腸固定術)直腸脱術後の再発について