骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
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大腸肛門科の特徴(他の診療科と比較して)


私が医学生だった当時には、医学部の6年(最高学年)になると、どの科に入局するかを決めなければならなかった。
(現在は臨床研修で2年ほどの猶予があるから、状況が当時とは異なっている)

6年になった時点ではっきりと「眼科」とか「小児科」とか進路を決めている者は少数派で、「内科系」か「外科系」などというようにおおまかに考えている程度の者が多かった。
そして一年かけてすべての診療科をローテーションした結果、自分の入局する科を決めるのだった。


自分の場合、まず「内科系はやめておこう」と思ってしまった。

同期には一日中百科事典のような医学書(朝倉内科学とか)を肌身離さず持ち歩き、すべて読破するような凄い奴が何人もいた。
彼らは勉強するのが本当に楽しそうで、「勉強が趣味」と言い切る奴もいた。
「こんな勉強マニアの奴等には絶対かなわない」と思って、まず内科系は無理だと思った。

こういう奴等はほとんどが内科に入局した。
そして医師になっても、内科の先生方はヒマさえあれば論文や専門書を読んでいるのであった。


そして次に、「メンタル系も向いてなさそうだな・・・」と思ってしまった。

精神科や心療内科といったメンタル系の診療科は、患者さんとしゃべるのが仕事の大半を占める。
患者さんの延々と続く訴えを辛抱強く聞き、そして言葉で相手を治療するわけである。

でも残念なことに、自分がそんな世界に向いているとはとても思えなかった。
口が重い自分が、患者さんと朝から夕方までしゃべりつづけるのはきっと苦痛になるだろう。

だから「しゃべりが仕事」の精神科や心療内科も無理だと思った。


そして残ったのは外科系だった。
自分は手先を使うのが好きなので、外科系だったらやっていけるかもしれないと思った。
(実際には外科は手先より体力を使う科だったのだが)

そう考えて外科医局に入局し、紆余曲折があって、10年ほど前から現在の某大腸肛門科病院に所属することになった。


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大腸肛門科の世界に身を置いて感じた、「大腸肛門科の診療科的特徴」はなにか?

・・・それは、「職人の世界のようだ」ということである(外科系はどこもそんな感じかもしれないが)。

分かりやすく言うならば、「腕がナンボの世界である」ということ。
さらに「結果が短期間で客観的に分かることが多いので、実力のごまかしが効きにくい」ということ。
逆に言うならば、「少々口下手でトークに自信がなくても大丈夫(?)」ということになるのかもしれない。


大腸肛門科の仕事は、手先を使う作業が多く、結果が短期間ではっきり分かることが多い。
(いっぽう癌の治療は通常結果がわかるのに数年かかるし、血圧や膠原病の治療などは自分がハタから見ていても腕の良しあしはさっぱりわからない。)

これを大腸内視鏡検査や肛門科の手術を例に挙げて説明してみる。

大腸内視鏡検査の良し悪しはほとんど腕だけで決まり、しゃべりの重要性は高くない。
どんなに口が達者でも、しょっちゅう痛がらせたり、大腸の奥まで挿入できなかったら腕はすぐにばれてしまう。
逆にどんなにしゃべりが下手でも、腕のいい大腸内視鏡医は痛みもなく時間もかからず成功率も高いので実力がはっきり分かる。

そして手術もそうである。
大腸肛門科、特に肛門科の手術は実力が第三者にも分かりやすい(と思っている)。
どんなに口達者でPR上手な医師であっても、術後出血を繰り返したり、痔瘻の術後にしょっちゅう再発したりすれば腕はバレバレである。


若輩者の自分が言うのも恐れ多いと思ったが、あえて語ってみた。
大腸肛門科の先輩方の話も聞いてみたいと思っているところです・・・



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