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生涯現役の大腸肛門科医師を目指して


私の自宅のすぐ近所に、皮膚科があった。
80歳くらいのじいちゃんが院長先生で、何度か湿疹や虫刺されで息子を連れて行ったことがある。

問診は受付嬢がして、院長先生は息子の皮膚をちょっと見て、看護師さんに向かって「モゴモゴ」とだけ言って終わりだった。
実質10秒の早業。

看護師さんは心得たもので、その「モゴモゴ」を解読して診断や治療方針や薬の使い方などをくわしく説明してくれるのだった。


このじいちゃん先生は、生涯現役を貫いて先日亡くなられた。
老いても他人の世話にならず、社会のお役に立ちつづけた。

かつての私は、「こんなお年になるまで働くなんて、ちょっと理解できないなぁ」などと思っていた。
でもある時期から、「このじいちゃん先生のような生き方もいいんじゃないか?」と思えるようになってきた。

・・・そう思うようになったいきさつを以下に記してみる。


私は現在、某大腸肛門科専門病院で勤務医をやっている。
元同僚には大腸肛門科クリニックを立ち上げて独立し、成功をおさめている人が何人もいる。
若くして引退(アーリーリタイアメント)できるんじゃないかと思われる人もいる。

かつて私の上司と、そういった元同僚たちについて話をしたことがある。

私「A先生(私の所属する某大腸肛門科病院から独立した先生)は、アーリーリタイアメントできそうでいいですね」

上司「そんなもん目指してどうすんの?」

私「若くして引退できたら、その後の人生好きなことができるじゃないですか」

上司「同業の大腸肛門科医師で、若くして引退した人がいたか?」

私「・・・そういえば誰もいませんね。60代になってもみな現役を続けてますね。」

上司「だろ? いざ辞めようと思ってもなかなか辞められるもんじゃないし、実際辞めたとしても暇でしょうがなくなるんだと思うぞ。」

私(・・・確かに私のボスもいつでも引退できそうなのに現役だ。スティーヴ・ジョブスもウォーレン・バフェットもイチローもマドンナも一生遊んで暮らしていけるはずなのに現役だ。)

そういえばピーター・ドラッカーもこんなことを言っていたのを思い出す。
「人は引退してはじめて、自分が欲しかったものは単なる長期休暇にすぎなかったということを知る」


私も以前は、「若くして一生分稼いで、早期引退してあとは好きなことをできる人はうらやましい」と思っていた時期があった。

でもじいちゃん先生の姿や、上司との会話を通じて、今では考えが変わってしまった。

今では大腸肛門科医師として生涯現役を貫き、体が動く限り社会のお役に立ち続ける方が幸福なのだと思うようになっている。


人間はだれでも人の役に立ち、誰かに必要とされることを欲する。
それは「楽したい」という感情より強いのだろう。


私の医師人生はまだまだ前半なのに、じいちゃん先生の訃報を聞いて、こんなことを考えてしまったのだった。

この文章をじいちゃん先生に捧げます。



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