骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説

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妊娠中でも薬を使って大丈夫?



私の経験では、妊婦への処方が禁止されている薬でなければ、妊娠中期(5ヶ月目)以降に薬を処方して問題が起こったことはありません。
ただしリスクのない薬は存在しないので、絶対大丈夫と保障することはできません。
使用する前に必ず産科の担当医と相談する必要があります。




「妊娠中でも薬を使って大丈夫ですか?」
「妊娠の可能性があるけれど薬を使ってもいいですか?」

痔で大腸肛門科を受診する若い女性は非常に多く、この質問を頻繁にいただきます。


医学的には、妊娠初期にはいかなる種類の薬でも使用しない方がよいとされています。

そして妊娠5ヶ月目くらいになれば、大腸肛門科で使用する薬(痔の軟膏や緩下剤など)を使用してもまず問題は起こらないとされています。
(私の経験でも、これまで問題が起こったことはありません)


薬には「添付文書」という使用説明書みたいな紙がついていまして、そこには必ず妊婦に使用可能かどうかという記載があります。

一部の薬には、「妊婦に使用してはならない」と書かれてあります。
医師が妊婦にこのような薬を処方することはありません。

そして大半の薬には、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する」とかかれてあります。
実際には大腸肛門科で処方される薬のほぼすべてが、このカテゴリーに入ります。

「有益性が危険性を上回る・・・」なんて、役人の答弁みたいですっきりしない表現だと思いませんか?
これは要するに「製薬会社はなんかあっても責任もたないから、医師が責任とってね」と言っているわけです。

「妊娠中に薬を処方したら何が起こるか」なんて、実際に試してみることはできないので、こう書かざるを得ないのも無理はありません。


本音を言わせてもらえば、妊婦が受診してきた時には、医師はみな極度に慎重になります。

私が勤務している大腸肛門科にも、痔が腫れたといって受診してくる妊婦がしばしばいます。

痛がっているのでなんとかしてあげたいと思うのですが、こんな場合にはまさに「石橋をたたいて渡る」という心境になります。

薬を処方して万一その後流産などの事態が起こったら、明らかに因果関係がなさそうであっても、「オマエの薬のせいで流産したんじゃないか?」といういいがかりをつけられるんじゃないだろうか?などと思ってしまうのです。
(じっさい他の科でそんな話を聞いたことがある)


患者さんにしてみれば、「薬をつかっても絶対大丈夫ですよ」と医師に保障して欲しいのは分かります。

でもほとんどの医師は、妊婦に向かって「絶対大丈夫」などと安易に請け負うようなことはしません。

妊婦に薬を出すときには、必ず以下のような説明をしてから薬を処方するはずです。
(頼りなく思われるかもしれませんが・・・)

「今までの経験では問題なかったので、まず大丈夫とは思うが、絶対大丈夫と保障することはできないこと」
「必ず産科の担当医に相談してOKもらってから使用すること」



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