骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
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妊婦の肛門疾患

・妊婦の肛門疾患は、ほとんどが痔核か裂肛。

・妊娠中期以降であれば、薬を使ってもまず問題は起こらない。

・重症の痔で痛みが激しい場合には、出産前でも手術を行うこともある。



痔核
妊娠前にあった痔核が、妊娠による血流のうっ滞で腫れてくる。

裂肛
妊娠のため排便状態が不安定になり、肛門に負担がかかって切れる。


(治療)

妊娠初期には、すべての種類の薬を中止するのが原則。

妊娠5ヶ月目くらいからは、軟膏や緩下剤を使用してもまず問題は起こらないが、念のため産科の担当医の承諾をもらってから薬を処方する。

薬には使ってもまず問題ないものと、妊娠中に使ってはならないものがある。薬を使うときは専門家と相談するのが原則。


痛みが激しく、我慢できない場合に限って、産科の担当医と相談した上で手術を行うこともある。
妊娠中期なら、まず問題なく行える。

出産まで待てるのであれば、出産後に手術を行った方が安全に行える。

妊娠中に痔が悪化したらなにかと困るので、痔のある人は妊娠前に治しておいたほうがよい。




(解説)

妊娠すると肛門周囲にうっ血がおこり、便秘がちにもなるので、痔核や裂肛を生じやすくなります。

妊娠中期であれば、薬を使ってもまず問題は起こらないため、産科の主治医のOKをもらってから軟膏などを処方することになります。

あまりにも痛みが強く、我慢できないときに限って、妊娠中期に手術を行うこともまれにあります。
この場合、産科と肛門科で連携をとりながら慎重に手術を行うのですが、やらずに済むならこれに越したことはありません。

妊娠中の痔は、治療手段が制限されることが多く、患者さんもかなりつらい思いをします。
痔核や裂肛がある場合には、妊娠の前に治しておくことをお勧めします。