骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
 よくわかる大腸肛門科 HOME病気を診断Q and Aプロフィール
 直腸肛門の病気直腸脱直腸瘤痔核痔ろう・膿瘍裂肛・狭窄
 骨盤臓器脱TVM手術メッシュを使わない手術保存的治療
 大腸内視鏡検査無痛大腸内視鏡検査大腸ポリープ・大腸がん



2 これは俺がやりたい大腸内視鏡検査ではない!


当時自分がやっていた大腸内視鏡検査は、今思えばお粗末なものだった。


患者さんはたびたび激痛で悲鳴を上げ、時には1時間くらい奮闘して、午後に2〜3件やるのが精一杯という有様だった。
自分だけでなく、周囲の医師も似たような状況だった。


大腸がんを専門とする以上、大腸内視鏡検査は避けて通れないハードルだった。
なんとか「痛くない大腸内視鏡検査」、「ある程度件数をこなせる大腸内視鏡検査」をマスターする必要があったのだった。


「痛くない大腸内視鏡検査」を謳っている病院はいくつか存在する。自分もそのような病院を見学したことがある。
ただしそのような病院は、必ずしも「本当に痛くない大腸内視鏡検査」を行っているわけではなかった。

その病院では「痛い挿入法」で検査を行っているものの、強力な鎮静剤を使って患者さんをドロドロに寝かせて痛みがわからないようにごまかしているので、患者さんは「痛かったのを覚えてない」というだけの話だったのだ。

強力な鎮静剤を使うと、薬の副作用で患者さんの呼吸が浅くなり、低酸素状態に陥るリスクがある。
また完全に寝かせてしまうと、万一大腸を傷つけても患者さんは痛みを訴えないので、重大が合併症が起こったとしてもそれに気づかず大事に至る恐れも生じる。

さらに患者さんはドロドロに寝てしまうので、当然のごとく大腸ポリープなどの病気があってもその場で患者さんに説明できない。

大腸ポリープが見つかっても、患者さんの承諾を得ることなく「大腸ポリープ切除」という手術を行うわけにはいかない。
だから大腸ポリープがあったときには、後日あらためてもう一回下剤を飲んで大腸内視鏡検査を行い、大腸ポリープ切除ということになってしまう。

強力な鎮静剤を使う病院では、ポリープがあったときには二度手間になってしまい、患者さんに余計な時間と費用の負担をかけることになるのだった。

そのような病院を見学しても、「これは自分の求めている大腸内視鏡検査ではない」という違和感を、本能的に感じるのだった。


自分は「痛いのを薬でごまかす」大腸内視鏡検査より、「本当に痛くない」大腸内視鏡検査を習得したかった。

楽で速い大腸内視鏡検査を求めて、自分なりに試行錯誤したり専門誌を読んで勉強したりしていたが、当時の自分の置かれた環境ではブレイクスルーは訪れなかった。

「何とかしなければ」と思いつつ、数年が過ぎて行った。


転機は10年ほど前に訪れた。

冬休みに東京旅行に行く機会があったので、大腸内視鏡検査と肛門科で全国的に有名な辻仲病院に見学に行った。


辻仲病院で見た大腸内視鏡検査は、まさに「目からうろこ」だった・・・



1 なぜ大腸肛門科をやっているのか2 これは俺がやりたい大腸内視鏡検査ではない!3 目からうろこ(その1) 大腸内視鏡検査4 目からうろこ(その2) 肛門科手術5 大腸肛門科を一生の仕事とすることに決めた6 大腸内視鏡検査と肛門科手術の修行に没頭する7 俺は井の中の蛙だった8 肛門外科は10年つとめて一人前9 医師の教育について10 そして現在へ・・・


よくわかる大腸肛門科委員会・会長の小部屋へ戻る





 よくわかる大腸・肛門科 HOMEへ

症状から病気を診断肛門科を受診しよう疑問を解決プロフィールリンク
大腸内視鏡検査・大腸の病気 (大腸内視鏡検査大腸ポリープ便潜血・・・)
肛門科の病気 (痔核痔ろう・肛門周囲膿瘍裂肛直腸脱直腸瘤・・・)