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肛門科手術の際に行われる麻酔について



・肛門科の手術で用いられる麻酔のおおまかな選択基準

入院手術 :腰椎麻酔

日帰り手術 :仙骨硬膜外麻酔または局所麻酔(最近では腰椎麻酔で行う施設も増えてきている)

日帰りの簡単な処置(血栓性外痔核や浅い肛門周囲膿瘍) :局所麻酔



(1)腰椎麻酔

腰から注射して、下半身全体に麻酔をかける方法。
入院手術でよく用いられる。

長所
麻酔が確実に効く。
針を刺すときもほとんど痛くない。
麻酔がすぐ効く。

短所
術後はしばらく歩けない。
頭痛や排尿障害などの合併症が起こることがある。
原則として入院手術に使う麻酔法だが、合併症の対策が進んだ結果、現在では日帰り手術でもさかんに用いられるようになってきている。


(2)仙骨硬膜外麻酔

仙骨(尾てい骨の近く)から注射して、肛門の周囲だけに麻酔をかける方法。
日帰り手術でよく用いられる。

長所
頭痛や排尿障害といった、腰椎麻酔の合併症が起こらない。

短所
麻酔が効くまで少し時間がかかる。
麻酔が不確実で、効かないことがある。
麻酔薬中毒(多量の麻酔薬が血中に入り、けいれんや呼吸停止などをきたす合併症)が起こることがある。


(3)局所麻酔

手術するところに直接麻酔を注射する方法。
血栓性外痔核や、浅い肛門周囲膿瘍など、簡単な処置のときに用いられる。 外来で簡単に行える。

長所
他の麻酔で生じる合併症(頭痛、排尿障害、麻酔薬中毒など)が起こらない。

短所
麻酔がうまく効かないとかなり痛いことがある。
狭い範囲にしか効かないので、痔核や痔瘻などの手術をこれだけで行うのは難しい。




(解説)

肛門科の手術の麻酔法は、大きく分けると上記の3種類があります。

麻酔法の選択は病院によってかなり差がありますが、上手なところだとほとんど痛みなしで安全な麻酔を受けることが出来ます。

このなかでもっとも確実に効くのは腰椎麻酔であり、この方法は手術中に痛むおそれがほとんどありません。
この腰椎麻酔は効果が確実な反面、手術した日は足がしびれて歩くことができず、さらに頭痛や排尿障害という合併症がときどき起こることがあるため、入院手術のときによく用いられます。
入院手術であれば、これらの合併症が起こっても安全に対処できるためです。

仙骨硬膜外麻酔や局所麻酔は、頭痛や排尿障害が起こる恐れはまずありません。術後に足がしびれて歩けないということもまずないため、日帰り手術はこの方法が用いられることが多いです。
ただしこれらの麻酔法は腰椎麻酔とくらべると効果が不確実であることが多く、手術中に痛い思いをする方が時にいるのが問題です。


最近では腰椎麻酔の合併症対策が進んだ結果、日帰り手術にも腰椎麻酔を行う施設が増えてきています。
上手な医師の麻酔であれば、痛みがなく安全な日帰り手術を受けることができるようになってきています。



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