骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説

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肛門狭窄の手術

・皮膚弁移動術(sliding skin graft:SSG)について。

・この方法は、長期間経過した裂肛で肛門がかなり狭くなった場合に行われる。


この手術は、慢性裂肛で肛門がかなり狭くなった場合に行われる。

肛門がそれほど狭くなっていない場合には、別項の「裂肛切除+側方括約筋切開術」が用いられる。

まず裂肛を図の点線のラインで切除する。



瘢痕(ひきつれ)を取り除き、肛門を拡張して正常の広さに戻していく。


肛門の広さが正常に戻ったところ。

続いて切除した部位を図のように縫合する。

横方向に縫合すると皮膚につっぱりが生じるため、このままだと縫合部にテンションがかかって外れてしまうリスクが生じる。


皮膚に三日月状の切開を入れて(青点線)、皮膚弁を作成する。


皮膚弁を縫合部に向けて移動させる。
これで縫合部位のテンションが解除される。

この手術を皮膚弁移動術という。
(sliding skin graft:SSG)





(解説)

肛門があまり狭くなっていない裂肛であれば、慢性裂肛の手術(裂肛切除+側方内括約筋切開術)で治すことができます。

いっぽう肛門がかなり狭くなってしまった裂肛の場合には、この手術(皮膚弁移動術)が必要となります。

ほとんどの裂肛は、(裂肛切除+側方内括約筋切開術)で治すことができ、この手術が必要となるケースはそれほど多くありません。

この手術は「裂肛切除+側方内括約筋切開術」と比べるとやや複雑で、縫ったりする必要があるので、術後の便通の管理を慎重に行う必要があります。

排便のコントロールがうまくいかないと、縫った場所がはずれて裂肛が再発することがあるため、この手術を行う場合には通常一週間くらいの入院をお勧めしています。

この手術は一見単純明快に思えますが、縫った場所がはずれないようにして、しかも十分な広さの肛門に戻すには押さえるべきポイントがいろいろあります。

肛門狭窄の手術は、ポイントを押さえた手術を行わないと容易に再発します。
専門家の手術を受けることを強くお勧めします。



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