骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
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このアドバイスは、一流の職人の世界観と通じるものがあると思う


「守」から脱却して「破」の時期にいたると、修行の方法も変わってくる。

たとえば大昔の論文や学会誌を渉猟して読んでみるようになるとか(現在定着している術式に至った歴史的経緯や、なぜこの方法はだれもやらないのかという理由がわかって興味深い)、全国各地の学会や地方会に頻繁に参加するようになるとか(全国の主要都市で肛門科関係の地方会が行われている)、他の病院の名手と呼ばれる先生を訪れて見学させてもらう(自分も全国各地の病院を数多く訪れた)などということを頻繁にするようになる。

要するに、医学書店に売っているような書籍を読んでもあまり得るものがなくなってくるので、新たに学ぶ手段を開拓するようになるということである。


そして手術を行うときも、以前の上司の手術の完全コピー一辺倒から脱却するようになる。
自分なりにいろいろ考えながら、さらに成績を向上させるための独自の工夫を加えていくようになる。

手術書や臨床雑誌を読んで勉強するかわりに、過去の自分の手術記録を見返して、術後経過と照らし合わせながら考えたり仮説検証したりする方に多くの時間を割くようになる。

この段階が、「破」ということになるのだろう。


そして「離」である。

既成概念にとらわれず、自由自在に表現するようなことを「離」と呼んでいると自分は理解しているのだが、手術でこの「離」をやっていいのかどうか自分にはわからない・・・


「完全コピーせよ」という最高峰のアドバイスについて、話を戻す。

一流の職人について書かれてある本を読んだことがある。
いろいろな業界の一流の職人にインタビューを行い、修行時代の思い出や、達人が到達した世界観について聞き出している本である。

その本を読んでいると、不思議と同じようなことを言っている人が多いのに気づかされる。

その「同じようなこと」とはなにか。

それは、「極めるとは、型をつかむことだ」というような意味のことを言っている人が多いことである。

人の能力や置かれた環境はそれぞれ異なる。
それでも「守・破・離」のプロセスを踏んで断崖絶壁をよじのぼっていくと、ルートの違いはあれ最終的にはひとつの「型」という究極形に行き着くということなのだろう。


私には、「完全コピーせよ」というアドバイスは、この「型をつかむ」という言葉と通じるものがあると思われるのだった。

私にこのアドバイスをくれた高名な大腸肛門科医の先生は、各界の一流職人と同じ境地に達しているということなのだろう。



1 肛門科手術の修行は、他の分野とはすこし異なるところがある2 修行を始めたばかりの医師は、まず前立ちからスタートする3 最高峰のアドバイス4 肛門科手術の修行における「守・破・離」5 このアドバイスは、一流の職人の世界観と通じるものがあると思う


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