骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
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見るとやるとじゃ大違いだったこと:意外と見えにくくてやりにくい


肛門は、体の表面にある臓器である。
だから胃や腸などの内臓の手術と比べると、素人目には肛門科の手術はよく見えてやりやすいような印象を受ける。

しかし実際自分が手術を手がけるようになると、手術する部位が見えにくくて手こずることがたびたびあった。
(「視野が悪い」と我々は表現するのだが)

肛門鏡という器具で肛門を開いても、肛門の直径はせいぜい3〜4cmくらいしかない。
この小さな穴から奥の方を操作するのは、ときに困難を伴う。

特に大きな痔核が2つも3つもあるようだと、ひとつの痔核を切除している時に他の痔核が邪魔になってしまう。
また臀部が大きい人の場合には、痔ろうの手術で膿の入り口(原発口)を処理するときに苦戦することもある。

だから経験が浅い頃は、「肛門科の手術は意外と見えにくくてやりにくい」と思うこともたびたびだった。


手術の時に、よく見えてやりやすい状態を作り出せるか(良い視野を出せるか)どうかは、手術の巧拙を大きく左右する。
見ていて「上手だな」と思える術者ほど、みずから良い視野を作り出し、楽な体制で手術を行っている。

だから上手な術者の手術を見ていると、一見簡単そうな印象を受けてしまう。
でもそれは、「本当に簡単」なのではなく、「いろいろな技術を駆使して、やりやすい状態で手術を行っている」から一見簡単そうに見えるだけなのだ。

だから若手の医師や看護師から、「先生の手術を見てると簡単そうに見える」とか、「自分にもできそうに思える」と言われたら、それは軽く見られているわけではないと思う。
そういう意味のことを言われたら、多分ほめ言葉として受け止めてよいのだろうと考えている。


自分の場合、経験を積むにつれて、けん引のしかたを工夫したり、肛門鏡の入れ方を工夫したりすることで、どうすれば良い視野で手術を行えるかが分かってきた。
そしてほとんどのケースで自分が見やすい体勢を作り出せるようになり、だんだん自分の土俵で楽に手術を行えるようになってきた。


肛門に主導権を握られずに、自分がやりやすい体勢を作り出す。

この姿勢は、結局大腸内視鏡検査にも通じる。
大腸内視鏡検査の初心者は、大腸に主導権を握られているので、腸に誘導されるままにカメラを押し込んでハマってしまう。

大腸内視鏡医の上級者は、自分が主導権を握って大腸を手なずけて検査する。
高度な技術を駆使して「自分がやりやすい体勢」を維持しつつカメラを進めていく。だから素人目には、上級者の大腸内視鏡検査は一見簡単そうに見える。

これと同じだ。



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