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5 よくわかる大腸肛門科会長流リスニング必殺技


「延々としゃべり続ける患者さん」への対処法を体得してからは、英会話リスニングの方法も変わった。

他にも自分が放浪していたときに編み出した、生きるための英会話テクニックがいくつかあるので、これもあわせて紹介してみる。

だれでも一日で習得でき、著効をしめすテクニックを5つにまとめてみたので、紹介しよう。


まず@で、英会話に臨む際の前提となる「心構え」および「態度」について説明する。
次にABで、相手を弱らせて自分の英語レベルにひきずりおろすためのテクニックについて説明する。
そしてCDで、リスニングの理解力を飛躍的に上げるためのテクニックについて説明する。



@まず、「自分は英語ができる。相手の言うことが分かる」と思い込み、きわめて堂々とした態度で相手と接する。

リスニングの能力が低い者が英会話をするときには、これが決定的な重要性を持つ。

「自分は相手の言うことがたいてい聞き取れる。聞き取れなかったら相手に責任がある」と思い込むだけで、不思議なことに聞き取れる確率がはるかに高くなる。
このような心構えでいれば、文章の中に少々わからない単語があったとしても、「自分は聞き取れる」と思っているから平気になってくる。

実は日本語の会話であっても、我々は100%の単語を聞き取れているわけではない。それでも我々は日本語を完全に聞き取れていると考えている。
それと同じだ。

逆に、「自分は相手の言うことがあまり聞き取れない。聞き取れなかったら自分に責任がある」と考えて聞くと、ちょっとわからない単語があっただけで「やっぱりだめだ」とあきらめてしまう。


そして、「きわめて堂々とした態度で相手と接する」のも重要となってくる。

たとえリスニングに自信がなくても、ものすごく堂々とした態度で接してみるといい。
もし聞き取れないところがあって、相手に聞き返したとしても、相手は「わかりやすく話さなかった自分のせいだ」と思ってくれる(ようである)。
自分が堂々とすればするほど、相手は申し訳なさそうにわかりやすくゆっくり話してくれるようになる。

逆におどおどした態度で接するのが一番よくない。
もし聞き取れないところがあったとしても、相手は「聞き取れないのはお前が悪い」と思って手加減してくれないことがある。


これは南米を旅していたときに体得したテクニックである。

南米の人の英会話を見ていると分かるが、彼らはどんなに無茶苦茶な英語をしゃべっていても、やたらと堂々としている。
そしてどんなに文法的に変な英語をしゃべっていても、十分にコミュニケーションを成立させているのだった。

逆に日本人は、受験で痛めつけられたせいか英語を崇め奉る傾向があるので、白人の前に立つとどうしてもおどおどした態度になってしまう。

英会話リスニングに関して言えば、日本人の謙虚さよりもラテンのノリが有効だ。



Aはじめに相手を弱らせておく。

人の印象は最初の一瞬で決まるといわれる。
それは英会話でも例外ではない。

外国人を相手にすると、どうしてもこちらも上手に英語をしゃべろうとしてしまう。
まわりに日本人がいて、自分の英語を観察しているような状況では、なおさらカッコつけようとしてしまったりする。

でもこれが自滅への序章となってしまうことがある。


はじめから流暢に英語をしゃべってしまったらどうなるか?

相手は「こいつは英語が上手なんだな」と思い込んで、いきなりベラベラとしゃべり始めて暴走してしまう恐れがあるのだ。


だから、外国人と話すときには、始めの一言が重要となってくる。

なるべくゆっくり、できればたどたどしく、始めの一言を発するように注意する。
慣れてくると、「わざと文法を一部分だけ間違える」という高等テクニックも使えるようになってくる。

そうすれば相手は、「こいつは英語が下手なんだな」と思ってくれて、最初からゆっくりやさしい英語をしゃべってくれる。


かつて自分はこのテクニックのことを、「自分の英語レベルに合わせてもらう」という表現をしていた。

ところがある日、同趣旨のことを書いてある素晴らしい本を見つけたため、ここではその本の表現(はじめに相手を弱らせておく)を拝借させていただいている。


参考:言ってることなんかわからなくても、英語は話せる! (恩藤孝次著)



B会話の途中で相手を弱らせることも重要となってくる。

相手が言っていることをよく理解してないのに、分かったふりをしてしまうと墓穴を掘ることになる。

分かったふりをしてしまうと、本当に分かってくれているものと考えて、どんどんしゃべりを加速して暴走していく奴がいる(特にアメリカ人)。

だから、途中で相手の暴走を止めるテクニックが重要となってくる。


いちばん簡単なのが、相手の言葉の中から聞き取れた「重要そうな単語」を聞き返すことである。

たとえば相手が高速でしゃべりだしたとする。その文章の中で、「・・・・ ・・・・ ・・・・ ○○○○ ・・・ ・・・・」というように、重要そうな単語があらわれたらチャンスである。
その「重要そうな単語」をすかさず ”○○○○?” と聞き返すわけである。
そうすれば相手はYesとかNoなどと何かを言わなければならない。これだけでも一時的に暴走をストップできる。


もっと時間を稼ぎたいなら、相手の言ったことを自分なりに理解した言葉で聞き返すという技もある。

自分が時々使うのが、相手が息継ぎをした瞬間に、"You mean, 〜?"というように聞き返すやりかたである。
(「あんたの言っているのはこういうことだよね?」とでもいう意味だろう)


これはロンドンかどこかのドミトリーに泊まっていたときに、同室にいた東欧人の連中(たぶん出稼ぎに来ていた)からヒントを得たテクニックである。
彼らの英語力は大したことはない。話す能力は当時の自分と同様下手だった。

それでも英語を理解する力は自分よりはるかに上だった。
なぜだろう?と思って観察していたら、彼らはこんなテクニックを使っているのに気付いたのだった(他にもいろいろあるのだろうが)。

同室のアメリカ人やオージー(彼らは旅行者だった)が速い英語を話しても、連中はここで示したようなテクニックを使って、相手のしゃべるスピードを上手にコントロールしているのだった。


これが礼儀にかなったやりかたなのかどうかは知らないし、相手が気分よくしゃべれないのも確かだろう。
そして正しい英語なのかどうかも自信がない。

でもこれをやると確実に相手の暴走を止められて、相手はヨタヨタのしゃべりになってくる。


通常の英会話では、こういう時には "Excuse me?" とか "Pardon?" といった表現を使うことになっている。

でもこんな下手にでるような言葉を繰り返すと、@の「きわめて堂々とした態度」を維持することが難しくなってくる。

だからここで紹介するような技を使って相手を弱らせ続けるわけである。


Aで述べたように、「はじめに相手を弱らせておく」のは、会長流英会話の基本である。

そして会話の途中で相手が立ち直りそうになったら、このBのテクニックを駆使して何度も相手を弱らせ続けるわけである。



C相手との会話の内容をあらかじめ予想しておく。

ほとんどの状況下で、相手との会話でやりとりするであろう内容を限定し、リスニングの負担を飛躍的に減らすことが可能である。


仕事の場でわれわれが話している会話の種類は、一見無限にあるように思える。
でも実際には、限られた内容を何回も何回も繰り返しているのが現実だ。


これは診察室の会話であっても例外ではない。

診察室で医師と患者さんがやりとりしている会話の内容は、ほとんど同じことばかり繰り返されているのをお気づきだろうか。
だからそれをあらかじめ予想しておけば、リスニングにかかる負担は圧倒的に軽くなる。

あらかじめ準備さえしておけば、相手の発言の大半はその想定範囲内におさまってくるのだ。


手始めに、自分が日本人の患者さんを診察するときに、患者さんとやりとりする会話の内容を記録してみるといい。

とくに専門特化した診療分野であれば、会話の内容はほとんど200〜300個程度におさまってしまうことがわかるだろう。

その200〜300個を記録しておいて、あらかじめ目を通しておくとどうなるか?
外国人を診療する時にも、相手が言ってくることや聞いてくることの大半が、想定内のものになってくる。

そうすれば、リスニングに要する負担は圧倒的に小さくなるわけである。

相手が何を言ってくるか予想できない状況でのリスニングの難度を100とすると、この技を駆使した場合には、その難度を10以下に減らせると思っている。


このテクニックは、医療にかぎらずあらゆる分野の「仕事の英会話」で絶大な威力を発揮する。
でも残念なことに、雑談にはあまり使えない。

雑談はどのジャンルの話題が飛び出すか分からないので、相手が言ってくるであろうことをあらかじめ絞り込んでおくことは難しい。

でも日本国内にいる日本人が、外国人と英語で雑談をする機会は年に何回あるだろうか?
私の場合、最近一年で仕事で英語を使う機会は20回ほどあったが、英語でノンジャンルの雑談をしたことは一回もなかった。



D会話の目的をはっきりさせ、相手から聞き出すべき情報を決めておく

Cの作業を行うことで、リスニングに要する負担を圧倒的に軽くすることができる。

でも実際には、相手が想定外のことを言ってくることも当然あるわけである。


そんなときに、このテクニックが威力を発揮する。
これは先述した、「延々としゃべり続ける患者さん」からヒントを得て体得したテクニックである。


まず、英会話が必要となる状況に遭遇したら、その「英会話を行う目的」をはっきりさせておく。

ホテルの予約をしたいのか、相手と仲良くなりたいのか、商談を成立させたいのかによって、会話の目的は当然異なってくるわけである。

医師が外国人を診察する状況であれば、この会話の目的はあきらかである。
「相手の訴えを理解して、正しい治療を行う」のが目的となるわけである。


目的がはっきりしたら、おのずと相手から聞き出すべき情報がしぼられてくる。

たとえば医師が外国人を診察する場面であれば、最低限以下の3つは必須の情報となるだろう。
・どんな症状があるのか(痛いのか、腫れているのか、出血があるのか)
・いつからその症状があるのか
・既往歴は? 受診歴は? 使用中の薬はあるのか?

これは商談の場でも同様のことが言える。
商談の場では、「値段」や「納期」や「商品」などが、絶対に聞き取るべき情報となってくるわけである。

ホテル予約の時でも同じこと。
聞き取るべきことは、せいぜい「値段」、「チェックアウトの時間」、「朝食つきかどうか」くらいのものである。
あとの情報は、部屋を直接見せてもらえばほとんど得られる。


こういった具合で、「最低限相手から聞き出すべき情報」を明らかにした上で、相手のしゃべる文章の中からその情報を拾っていくことに専念する。

そして仮に、相手が話す文章をすべて理解できなくてもまったくかまわない。
だれもそれをテストして点数をつける人はいない。

相手のしゃべりが終わった段階で、自分の知りたい情報が十分に得られていなければ、自分から質問して補っていけばいい。


通常のリスニングの授業では、「相手のしゃべった内容全体から要点をまとめる」というような指導がなされる。
自分が理解すべき内容は、100%相手のしゃべる内容次第というわけである。

自分のやり方では、「あらかじめ知りたいことのリストをつくっておき、相手のしゃべりの中から必要な情報だけピックアップしてリストの空欄を埋めていく」といった感じの作業になってくる。
そして空欄が埋まらなければ、相手に質問して埋めていく。

自分が理解すべき内容をあらかじめ自分で決めているので、相手が何をしゃべろうが振り回されなくなるわけである。


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ここで示した5つのテクニックを駆使することで、「相手に主導権を握られて振り回されるリスニング」から、「自分が主導権を握って相手を振り回すリスニング」になってくる。

このやり方は、もちろん英語の達人がすべて聞き取るよりも理解度は低い。
しゃべる相手にもストレスを与えてしまうので、自分の好感度も低くなるかもしれない。

でも、自分が英語を使って診療する目的をいま一度思い出してほしい。
それは「相手の訴えを理解して、正しい治療を行う」ということである。
その外国人患者に好かれるのが目的ではない。

はじめから聞き取る努力を放棄して逃げ回るような医師の方が、その外国人患者にとっては迷惑ではないだろうか?


これはアメリカ帰りでリスニングにまったく苦労しない人にとっては、バカにしたくなるような方法かもしれない。

私は洋画も字幕なしでは何を言っているかほとんどわからないし、洋楽の歌詞も聞き取れない。
CNNやBBCも一部の医療分野以外はわからないし、英検やTOEICも受けたことがない。


それでも私は、外国人の患者さんに対し、英語を駆使して診療・手術・内視鏡検査を200人〜300人は行ってきた。

外国人患者が来院した時にたびたび呼び出されたり、外国人医師が見学に来たときに時々案内係をさせられたり、自分の所属する病院が主催する国際学会(もちろん英語)の議事進行係を毎年やらされたりもしている。

自分で自分の英語力をどう思っているかは別として、少なくとも自分は周囲の人から「英語ができる」と思われているのも間違いない事実である。


そしてこの「英語でなんとかする能力」は、上記の5つの必殺技が大いに貢献しているのである。

リスニングに自信がない大半の日本人にとって、この方法は「仕事で英会話が必要な人全員が使える必殺技」だと自分で勝手に思っているのだった。



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