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大腸ポリープの日帰り切除について



大腸ポリープ切除には、入院で行うものと日帰りで行うものがあります。
治療を安全におこなうために、われわれの施設では日帰り切除と入院切除を分ける基準を設定しています。



大腸ポリープ切除は手術の一種なので、当然一定のリスクが生じます。

他のページ(大腸ポリープ切除後のトラブル)で示したように、大腸ポリープを切除した場合には腹痛、出血、穿孔といったトラブルが起こる可能性はだれにでもあります。

そのため、入院施設がある病院であれば、大腸ポリープ切除は入院して行うところが大半です。

いっぽう入院施設のないクリニックであれば、日帰りで対処できるポリープだけを切除します。
入院が必要なケースの場合、入院施設のある病院に紹介して大腸ポリープ切除を依頼するすることになります。


大腸内視鏡検査を受けて大腸ポリープが見つかった場合、そのポリープを日帰りで切除するか入院で切除するかを判断しなければなりません。

日帰り・入院の判断には、いくつかの基準があります。
この判断基準は、「痔の日帰り手術」の基準とほぼ同じです。

とくに重要となるのは、年齢、治療中の病気の有無、お住まいの場所、大腸ポリープの大きさ・形・数 の4つです。


・年齢

高齢の方に日帰りで大腸ポリープ切除を行うと、若い人とくらべてトラブルが起こる可能性が高くなります。
このため、ある程度の年齢の方(大体60〜65歳以上)の場合には、入院で大腸ポリープ切除を行ったほうが安全です。


・治療中の病気の有無

重い病気を治療中・または治療したことがある方の場合にも、予期せぬアクシデントが起こる可能性が高くなります。

とくに問題となりやすいのは、以下に示したような疾患です。


 ・重度の脳神経疾患(脳卒中など)や心疾患(心筋梗塞、狭心症、重症不整脈など)

脳神経疾患や心疾患の治療を行っている方では、「抗凝固剤」といって血液をサラサラにする薬を飲んでいることが多く、この場合治療の前に薬を中止する必要があります。
薬の管理や、術中術後の厳重なモニター管理が必要となるため、これらの疾患がある場合には入院が必要です。


 ・重度の糖尿病

インスリンを使用するほど重度の糖尿病がある方では、大腸ポリープ切除の前後にも厳重な血糖コントロールを行う必要があるため、入院して治療を受ける必要があります。


 ・精神疾患や透析などのその他の疾患


・お住まいの場所

日帰りで大腸ポリープ切除を行う場合には、お住まいの場所も考慮に入れる必要があります。

遠方にお住まいの方の場合、帰宅後に腹痛や出血が起こったら、対処するのが困難になります。
ですから、遠方にお住まいの方の場合には、原則として入院してポリープ切除を行っています。


・大腸ポリープの大きさ・形・数

大腸ポリープには、小さいものから大きいものまでいろいろあります。
また、大腸ポリープにはイボ状のものや、平坦なものまでいろいろな形があります。
さらに、ポリープが1個しかできていないケースから、10個以上あるケースまでさまざまです。

大腸ポリープは、小さいイボ状のポリープが少数(1〜2個)見つかった人の場合には、日帰りで切除できる可能性が高くなります。

逆に、大きいポリープや、平坦なポリープや、ポリープがたくさんできている人の場合には、入院が必要となります。
これらのケースに無理して日帰り切除を行うと、トラブルが起こる可能性がきわめて高くなります。

大腸ポリープをどこまで日帰りで治療し、どこから入院治療にするかという線引きの基準は、医師の考え方や経験によってかなりの差があり、統一した基準があるわけではありません。

大腸内視鏡検査をおこなう前はポリープの状態はわからないため、ふつうは検査して大腸ポリープが見つかった段階で医師と相談して、治療の方針を決めることになります。



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