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大腸がんの手術

・進行した大腸がんは、手術でしか治せない。
・大腸がんの手術では、がん周囲の腸管とリンパ節も含めて切除する必要がある。
・心がけ次第で、大腸がんで命を落とす事態を避けることができる。



大腸がんの手術1
大腸がんの手術は、がんの部位だけを切除すればいいというわけではない。

左図に例としてS状結腸がんの手術を示す(S状結腸切除術)。

大腸がんの手術では、がんを含めたできるだけ広範囲の領域をとりのぞく必要がある。

大腸がんが存在する部位の腸管を、がん組織からある程度距離を確保して切除する。


左図の「黄色くて小さい丸」はがん細胞が転移していないリンパ節を、「赤くて大きい丸」はがん細胞が転移しているリンパ節を示す。

できるだけ広範囲に切除しないと、がん細胞が転移したリンパ節を取り残して再発する恐れがある。
大腸がんの手術2 ・切除した腸管をつなぐ。




(解説)

大腸がんはごく早期のものであれば、大腸内視鏡検査の際に切除して治すことができます(大腸ポリペクトミー粘膜切除術)。

一方、ある程度進行した大腸がんは内視鏡では治療できないため、ここで示した大腸がんの手術が必要となります。


大腸がんの手術を極端に単純化して説明すると、こうなります。

・大腸がんが存在する部位の腸管を、がん組織からある程度距離を確保して切除する。
・大腸の周囲に存在するリンパ節も同時に切除する。
・切除した腸管をつなぐ。

イラストでいうと、青い点線の領域を取り除き、腸をつないで元に戻すわけです。

大腸がんの手術で重要なことは、「周囲のリンパ節も含めて切除する」ことです。
大腸がんは、腸のまわりにあるリンパ節に転移している可能性があるため、これも含めて十分に大きく切除する必要があるのです。
これをリンパ節郭清(かくせい)といいます。

もちろん肝臓や肺に大腸がんが転移していた場合には、これらも転移の状況に応じて切除する場合があります。

イラストの「黄色くて小さい丸」のところは、リンパ節を表しています。
「赤くて大きい丸」のところは、がん細胞が転移したリンパ節を表します。

大腸がんのところだけ切除しても、転移したリンパ節を取り残してしまうようでは、十分な大腸がんの手術とはいえないのです。


わたしの所属している大腸肛門科専門病院では、毎年200〜300人の大腸がんが見つかります。
大腸がんが見つかる頻度は近年急激に増えてきています。

大腸がんで命を落とすという悲劇は、心がけ次第で避けることができます。
定期的に大腸内視鏡検査を受けるか、せめて毎年便潜血検査を受けることをお勧めします。



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