骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説

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便潜血検査について

・便潜血検査は簡単にできるが、精度は低い。
・便潜血検査が陰性でも、大腸がんがないとは言えない。
・逆に便潜血検査が陽性でも、大腸がんが見つかる可能性は数%程度。
・それでも便潜血検査を受けていれば、大腸がんで命を落とすリスクはかなり減る。



便潜血反応


(便潜血検査で知っておくべきこと)

・大腸内視鏡検査に比べると、便潜血検査の精度は圧倒的に低い。

・便潜血検査が陰性の場合でも、大腸がんがないと決まったわけではない。大腸がんがある人でも、便潜血検査が陰性になることがある。

・逆に便潜血検査が陽性の場合でも、大腸がんときまったわけではない(参考)。

・大腸に異常が無くても、便潜血検査が陽性とでることはよくある(参考)。

・このように便潜血検査は精度の低い検査ではあるが、それでも便潜血検査陽性だった人は、陰性だった人より大腸がんが見つかる可能性が高いのは間違いない。

・便潜血検査を定期的に受けている人は、受けていない人にくらべて大腸がんで死亡するリスクがかなり減るのは間違いない。

・便潜血検査が陽性だった人は、二回のうち一回だけ陽性でも(参考)、大腸内視鏡検査を受けたほうがよい。

・便潜血検査が陽性だった人は、痔の出血と思われる場合であっても(参考)、大腸内視鏡検査を受けたほうがよい。




(解説)

ここでは便潜血検査についてくわしく解説します。


大腸がんの可能性がある方(便通異常や下腹部痛など)に大腸内視鏡検査をおすすめすると、「この前の便潜血検査は陰性だったから大丈夫」と言う方がよくいらっしゃいます。

でも、「便潜血検査が陰性だから大腸がん・大腸ポリープの心配はない」とはいえないのです。


便潜血検査は、大腸内視鏡検査と比べると、圧倒的に精度が低い検査です。
便潜血検査が陰性でも、「大腸がん・大腸ポリープがない」と考えることはできません。

便潜血検査が陰性であっても、便通異常や腹痛などの自覚症状がある場合や、身内に大腸がんの人がいる場合には、大腸内視鏡検査をお勧めしています(特に40歳以上の方)。


私の所属している病院は大腸肛門科の診療を専門としているため、大腸内視鏡検査で大腸がんが見つかる人もたくさんいます。

大腸がんが見つかった人やその家族が、「このまえの便潜血検査は大丈夫だったのに・・・」と言っているのをたびたび聞いたことがあるのです。


 (便潜血検査の長所)

簡単かつ安価にできるので、大腸がん検診として広く普及している。

便潜血検査が普及しているのは精度が高いからではなく、簡単かつ安価にできるから。


 (便潜血検査の短所)

精度が低い。
大腸ポリープ発見には役に立たない。
早期がんも半分は見落とされる。
進行がんでも1〜2割は見落とされている。