骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
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3 大腸内視鏡検査と手術の共通点


「優しい軸保持」の医師が行う大腸内視鏡検査がこれほど安定するのはなぜか?

それはどのような腸であっても一定の手順に従い、限りなくワンパターンの簡単な形にして挿入しているからである。

だから大腸内視鏡検査をやったことがない医師が、大腸内視鏡検査の達人の検査を見ると、「簡単そう」とか「これなら私にもすぐできそう」という感想を抱いてしまう。

しかし実際には「簡単」なのではなく、「高度な技術を駆使して難しくない形にして挿入しているので、素人目には簡単そうに見える」だけなのである。


これは手術でも同じようなことがいえると思う。

外科の世界では、「手術を簡単そうに行う外科医は腕がいい」という言葉がある。

腕の悪い外科医では、正しい解剖が分からずにまごついたり、正しい層を剥離切開できずに出血して悪戦苦闘したり、ひとつひとつの処理に手間取ったりする。
実際かつて私が知っていた肛門科の手術もこのようなものだった。だから「肛門科の手術は難しいものだ」と思っていた。

だから素人が腕の悪い外科医の手術を見ると、「なんと手術とは難しいものなのだろう」と思ってしまう。
「腕の悪い外科医が自分で手術を難しくしている」とは、素人には思いもよらない。


いっぽう腕の良い外科医では、腕の悪い医師がひっかかって難渋するポイントをあっさりとクリアして淡々と手術を遂行する。

だから素人目には「手術とは簡単なものなのだな。こんな自分にもできそうなことをやっているのだから、この先生は上手い外科医ではないのだろう」というふうに考えてしまう。

だから、腕の良い外科医が技術の粋を尽くして「一見簡単そうに見える手術」を行ったとしても、それを見ていた素人は「今日の手術は簡単そうでしたね」などと、ものすごく的外れなことを言ってしまうこともある。



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