骨盤底領域疾患(直腸肛門疾患・骨盤臓器脱)の徹底解説
 
 よくわかる大腸肛門科 HOME病気を診断Q and Aプロフィール
 直腸肛門の病気直腸脱直腸瘤痔核痔ろう・膿瘍裂肛・狭窄
 骨盤臓器脱TVM手術メッシュを使わない手術保存的治療
 大腸内視鏡検査無痛大腸内視鏡検査大腸ポリープ・大腸がん



大腸内視鏡検査:300、1000、5000の壁 (見習い・入門レベル)

※マニアックです。専門家以外が読んでもわからないと思います。


大腸内視鏡検査の技術は、坂道のようにすこしずつ連続的に上達するのではない。
階段のように段階的に上達すると思っている。
少なくとも自分の場合はそうだった。

大腸内視鏡検査の修行の段階で、壁に突き当たったような状態が長い間つづく。
悩んで考えて試行錯誤を続けるうちに、あるところで「気づき」を得て急激に上達するチャンスがやってくる。

いわゆる「一皮むける」というやつである。

自分の経験では、その壁は300例、1000例、5000例に存在した。
自分の元同僚にも同じような事を言っている人がいるので、これは自分だけの経験ではないと思っている。

以下に自分の経験を思い返し、それぞれの技術レベルでどのような状況だったのかを書いてみる。


以下で述べる「痛がらせる」という記述は、われわれの施設で行っている「軸保持短縮挿入法+軽い鎮静剤」での状況を指す。

一部の施設で行われている「強力な麻酔薬」を用いてやる方法であれば、どんなやり方でもあまり痛がらせることはない。
そのかわり検査のリスクが増し、検査中に患者さんの意識がなくなるのでポリープがあっても同時に切除できなくなり、後日あらためてポリープ切除となって患者さんに二度手間を強いることになる。

また、以下で述べる「検査成功率」は、大腸がんなどで腸が狭くなって物理的にscopeの通過が不可能なケースは除外して記載している。

さらに「軸保持成功」とは、S状結腸を伸ばすことなく、SDjunctionを意識せずに通過できる状況のことを指す。
挿入時にS状結腸を少し伸ばしてしまって、SDjunctionの前で小ループを解除するような症例は、軸保持成功例には含めていない。


大腸内視鏡経験数300例以下:見習い
検査成功率(大腸の奥まで到達すること)99%以下

われわれの施設では、まだ検査用のブースを任せてもらえない。
経験数の多い医師の監督の元でやらされる。

簡単そうな男性症例(ふつうは中肉中背中年男性が簡単)のみ厳選して回されてくる。

患者さんが痛がるか痛がらないかは運任せ。

軸保持という言葉は知っているが、感覚的にどんなものかは分かっていない。


300〜1000例:入門
挿入率99〜99.5%(100人〜200人に1人挿入できないレベル)
時々上のヘルプを仰いでいる。

女性の症例も時々回ってくるようになるが、まだ男性症例の比率の方が明らかに多い。
検査室のスタッフがかなり気を使って、はまらないような症例を選択している。

女性をたびたび痛い目にあわせてしまう。男性も時に痛がらせてしまうことがある。
緊張している敏感な女性をやらせると、ときに大変なこと(絶叫部屋)になる。
このレベルの医師に検査された場合、「お産よりつらかった」「二度と大腸内視鏡検査は受けたくない」という感想がしばしば聞かれる。

軸保持はマグレでうまくいくことがあるが、多くの症例でS状結腸が伸びている。

「SDjunctionが一番の難関」などと言っている・・・。
(発言内容を聞くと腕が大体分かってしまう)



大腸内視鏡検査:300、1000、5000の壁 (見習い・入門レベル)大腸内視鏡検査:300、1000、5000の壁 (初級・中級レベル)大腸内視鏡検査:300、1000、5000の壁 (上級・至高レベル)


よくわかる大腸肛門科委員会・会長の小部屋へ戻る